去る7月5日、芝祐靖先生がご逝去されました。
御歳83歳でおられました。
古く、飛鳥・白鳳時代にまでも遡る、我が国に伝わった古代朝鮮半島や、大陸の隋、唐、そして林邑、天竺からの音楽たち・・・それらは国風にアレンジされて、雅楽となり、
以来、幾度もの戦火や遷都によって、絶えてしまう危機を乗り越えながら現代に至るまで、
楽家の血筋の方々、雅楽を愛する楽師たち、楽器を作る技術者、装束類を手がける人々の
力によって受け継がれてきました。
南都方楽家、狛氏の血を引かれ、早くから、雅楽の演奏家という枠に収まらず、たくさんの
活動をされてこられた芝祐靖先生。
多くの古典音楽や廃絶曲の復曲を手がけられ、新しい古典音楽ばかりか、宮中での大切な儀式曲をもこの世に生み出された祐靖先生は、
日本での龍笛、横笛の演奏、世界の第一人者でもおられました。
宮内庁式部職楽部を退官されたあと、「伶楽舎」を結成され、音楽監督をされながら、
型にはまらない、生きた雅楽を、私たち一般の人々に広め、教え、多くの可能性を観せ、
聞かせてくださっていました。
先生と、伶楽舎のメンバー元で、スタジオで録音しながらも、四季折々の音色、朝、昼、そして夜の、様々な場面で、自然の懐で演奏されているように、陰陽五行に沿って監修した「Music for 陰陽師」のCDもこの世に誕生いたしました。
時を同じくして、マガジンハウス社の「鳩よ!」誌にて、特集「『陰陽師』世界に遊ぶ」が
組まれ、その中で「安倍晴明と楽との関わりをさぐること」というタイトルで、芝先生と対談をいたしました。2000年のことです。
雅楽を愛する方、楽師の皆さんが、はっとするような、多くのことを語ってくださっています。
この度、新しくオープンした「into the Forest」内の、芝先生への追悼の記事の中にて、
ご紹介、再録いたしましたので、どうぞ、ご覧になってください。
追記 来たる11月9日国立劇場11月雅楽公演(小劇場)で
「雅楽 アジアの響き」の公演があります。 演奏は 伶楽舎。
芝祐靖先生により復曲された作品「番假崇」「曹娘褌脱」が上演されます。 詳細は、どうぞこちらをご覧ください。
댓글