〈 自動的に音楽が流れます。どうぞボリュームにお気をつけください 〉
「コーリング」全3巻
原作:パトリシア・A・マキリップ著「妖女サイベルの呼び声」
(1976年 世界幻想文学大賞を受賞/原題「エルドの忘れられた獣たち」)
1979年に発刊されたハヤカワFTファンタジー文庫の第1冊目
マキリップにとっては第3作目にして日本で初めて訳された作品
OKANOがこの作品を読んだのは、初邦訳と同時10代の終わり。
「魔術師ヒールドは、その昔、貧しい女と交わった。王都モンドールのことである。」
で始まる、目にも綾な、タペストリーを織るようなこの作品に魅了され、
流れるような美しい日本語に翻訳された、翻訳者の佐藤高子氏に連絡。
時を経て、潮出版社が漫画化を企画してくださり、原作側のエージェントとの
長い交渉を経て、連載が実現した作品です。
無駄のない、静寂で、精緻なマキリップの表現は、邦訳の力もあり、他の作品にはない
独特な美しさで、とても新鮮なファンタジィでした。
原作から「コーリング」という題名に変更し、ハードカバーの単行本第1巻の出版時、
物語の世界から聞こえてきてやまない音楽・・・原作を読んでいる時も、
漫画として書いている間も常に背景に聞こえている音楽・・・があるのを感じ、
CDシングルでイメージ音楽を付録にしたい・・という希望が叶えられました。
バックに流れる美しい音楽を作曲してくれたのは、鬼才のピアニストにして
ヴォーカリスト、作曲家の橋本一子さん。
(‘91年出版のハードカバーの特別限定本のために、
物語の世界を彷彿とさせるイメージ曲、2曲を作曲してくれました。)
どうぞ、一子さんの音楽でイメージを広げて お楽しみください。
『コミックトム』(潮出版社) '91年7月号~'93年11月号まで連載。
単行本全3巻完結。‘93「コーリング」1〜3巻(潮出版社スーパービジュアルコミックス)
‘00「コーリング」 全3巻 (マガジンハウス) ‘09「コーリング」 全3巻 (白泉社文庫)
STORY
1巻
エルド山の4代目の魔術師妖女サイベルは、山中の館の闇の沈黙(しじま)の中に独り、不思議な力を持つ伝説の幻獣たちに呼び寄せ、ひっそりと暮らしている。
ある夜、彼女は初めて伝説の白い鳥ライラレンに細い呼び声の糸を送り出した。その時、白い館の門前に現れたのは、赤子を抱いた
サールの戦士コーレン。
その夜を機に彼女の静寂に波乱が始まった。
2巻
エルドウォルドの王位をめぐる野望と愛憎の中に巻き込まれていく妖女サイベル。
危機を逃れ、コーレンと婚礼を挙げた彼女の胸中には 黒い策謀が渦巻いていた。
3巻
戦の前夜、意外なものがサイベルのもとを訪れる。
彼女から解き放たれた幻獣たちが、怪しいその力を発揮するクライマックス。
真の姿を顕した白い鳥ライラレンとは。
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ライラレンに運ばれて、物語は始まりへ・・・
「妖女サイベルの呼び声」(ハヤカワFT1文庫)
パトリシア・A・マキリップ著 佐藤高子翻訳
ORIGINAL STORY “THE FORGOTTEN BEASTS OF ELD"
BY PATRICIA A . MACKILLIP
©︎1974 BY PATRICIA A . MACKILLIP
1974~90年代当時の原作の書影
CALLING Music
coming soon...
橋本一子 (ピアニスト、ヴォーカリスト、作曲家)
‘80年代にイメージアルバム「ファンシイ ダンス」(手塚眞プロデュース)に参加されたことから、おつきあいが始まり
「music for 陰陽師」に「雲珠」という幻想的なピアノ独奏曲を作曲演奏している。
アルバム「Phantasmagoria」ではOKANOはファンディングでお手伝い。
他、映画「白痴」、映画「ばるぼら」のオリジナルサウンドトラックを手がけている。
http://www.najanaja.net/
(「コーリング」の紹介ページ公開に際し、BGMに使用させていただくことに快く応じてくださいました。一子さんに心より御礼申し上げます。)