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上弦の巻
古来、月の満ち欠けは、生命を与え、育み、また奪う、生命を掌る女神の三相一体の
仮の姿を意味しました。
新月から満ちてゆく、月の様相に添って、大地に満ちる生命たちの生まれたての瑞々しさ
春の芽吹きの若々しさ。無垢の乙女の姿から月と一緒に満ちてゆく個性豊かな女性たち。
肉体とともに内側から解かれて、目覚めてゆく私たちの心身と深い結びが交わされるのは
生き物たちの母なる大地。・・・そうして、地球の中央に息づく世界樹へと・・・。
下弦の巻
生命の頂点、満ち切った望月から新月へと至る様相は、生き物たちが実りから種へと
変化する姿。成熟した女性から、宇宙と大地に秘められた智慧を身につけた賢女へと。
そうして、自由になった魂と身体から、歓喜とともに太古の本質が顕れ出てきます。
かつて、天界・地上・冥界の三界を支配していた太古の女神たちが蘇り、幾重もの
愛の波となって、種を撒きながら押し寄せる終結へと向かいます・・・。
『週刊モーニング』(講談社)にて2007年9月から2010年7月22日まで連載 / 単行本「イナンナ 上弦の巻」「イナンナ 下弦の巻」全2巻 (講談社)
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